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コラム

Column

2024.11.25

不正咬合の種類別リスクと将来への影響とは?

こんにちは。松本デンタルオフィスforキッズです。

「子供の歯並びが気になる」「不正咬合と診断されたけれど、どう対応すればいいのかわからない」「将来の健康や見た目に影響があるか心配」とお悩みの親御さんはいらっしゃいませんか?

不正咬合は、子供の健康や成長にさまざまな影響を及ぼす可能性があります。しかし、適切なタイミングで予防や治療を行うことで、健康な口腔環境と自信を持てる笑顔を育むことができます。今回は、不正咬合の原因や影響、治療法、そして日常でできる予防方法について解説していきます。

1.こんなお悩みありませんか?

  • 子供の歯並びに不安を感じている
  • 「不正咬合」と診断されたがどう対応すべきかわからない
  • 将来の健康や見た目への影響が心配

お子様の歯並びや噛み合わせについて悩まれる親御様はとても多いです。「不正咬合」とは、簡単に言うと噛み合わせが正常でない状態のことを指します。見た目の問題だけでなく、成長期のお子様にとっては、発育や健康面にさまざまな影響を及ぼす可能性があるため、早めの対策が重要です。

特に小さな頃に気づきやすい不正咬合には、歯がガタガタに生える「叢生(そうせい)」や、前歯が閉じない「開咬(かいこう)」などがあります。これらを放置すると、大人になってから矯正が必要になるケースもあります。

しかし、正しいタイミングと治療法を選ぶことで、お子様の将来の健康的な成長をサポートすることができます。

2.不正咬合とは?原因と仕組み

不正咬合(ふせいこうごう)とは、歯が正しく噛み合わない状態のことを指します。これは見た目の問題だけでなく、噛む機能や発音、さらには歯の健康や全身の健康にも影響を及ぼす重要な問題です。不正咬合があると、噛む力が均等に分散されず、特定の歯や顎関節に過剰な負担がかかります。その結果、歯が早く傷んだり、顎の痛みや不調が現れることがあります。また、適切に食べ物を噛めないことで消化器系に負担がかかり、栄養吸収にも影響を与える可能性があります。では、不正咬合の具体的なタイプや原因について見ていきましょう。

主な不正咬合のタイプ

不正咬合にはさまざまなタイプがあり、それぞれ異なる症状や原因があります。以下に主なものを挙げます。

  • 叢生(そうせい)
    歯がガタガタに並んでいる状態で、一般的には「八重歯」として知られています。顎の大きさが小さい場合や歯が大きい場合に起こりやすく、歯磨きがしづらいため虫歯や歯周病のリスクも高くなります。
  • 開咬(かいこう)
    上下の前歯が閉じず、隙間ができる状態です。指しゃぶりや舌を押し出す癖が原因となることが多く、発音や食事中の効率的な噛み合わせに支障をきたします。
  • 過蓋咬合(かがいこうごう)
    上下の前歯が重なりすぎて、下の歯がほとんど見えない状態です。このタイプでは、下の歯が上の歯の裏側に当たり、歯茎や歯そのものにダメージを与える可能性があります。
  • 反対咬合(はんたいこうごう)
    下の歯が上の歯より前に出てしまう「受け口」の状態です。顎の成長に関連する問題が原因であることが多く、放置すると顔立ちにも影響を及ぼす可能性があります。
不正咬合の原因

不正咬合が発生する原因には、大きく分けて遺伝的な要因と生活習慣による要因があります。

  • 遺伝的要因
    顎の大きさや歯のサイズは遺伝的な影響を受けることが多く、不正咬合の一因となります。例えば、顎が小さい一方で歯が大きい場合、歯がきれいに並ばず、叢生が発生する可能性が高まります。
  • 生活習慣や癖
    指しゃぶりや舌を押し出す癖、口呼吸といった生活習慣が、不正咬合の発生を助長することがあります。これらの習慣が長期間続くと、顎や歯列の発育に影響を与え、噛み合わせが不自然になる可能性があります。
  • 顎の発育不足
    現代の食生活の変化により、柔らかい食べ物を好む傾向が強まりました。その結果、顎を十分に使わなくなり、顎が小さく成長することで歯が並びきらず、不正咬合が発生しやすくなっています。
成長期の顎の発達との関連

成長期は顎の発達にとって極めて重要な時期です。この時期に不正咬合が放置されると、顎の発育が妨げられ、不正咬合が固定化される可能性があります。例えば、硬い食べ物を噛む習慣が少ないと、顎の骨が十分に発達せず、歯が正しく並ぶスペースが確保できなくなります。また、早期の乳歯の喪失も問題を引き起こします。乳歯は永久歯が正しく生えるための道標の役割を果たしています。乳歯を早期に失うと、永久歯が正しい位置に生えるスペースが不足し、不正咬合につながることがあります。

不正咬合の治療は、早期に行うほど効果が高く、簡単な方法で問題を解決できる場合があります。例えば、幼少期の矯正治療では、顎の成長を促す装置や簡単な矯正器具を使用することで、将来的な本格的な矯正治療を回避できることもあります。

お子様の歯並びに少しでも不安を感じたら、早めに専門家に相談することをお勧めします。正しい診断と適切な治療計画により、お子様の笑顔と健康を守ることができます。

3.不正咬合の種類とそれぞれの特徴

不正咬合は、歯の並びや噛み合わせが正常でない状態の総称です。見た目だけでなく、噛む機能や発音、全身の健康に影響を与えることがあります。お子様がどのタイプの不正咬合に当てはまるかを把握することは、早期の対応につながり、将来の健康を守るために重要です。ここでは、不正咬合の代表的な種類とその特徴についてご紹介します。

出っ歯(上顎前突)

上の前歯が下の前歯よりも大きく前に出ている状態を「出っ歯」と呼びます。このタイプは子供の不正咬合で最もよく見られるものの一つです。

リスクと特徴

  • 見た目のコンプレックス: 出っ歯は目立つため、お子様の自信や表情に影響を与える可能性があります。
  • 歯の損傷リスク: 上の前歯が露出しているため、転倒や衝突で歯が折れたり欠けたりするリスクが高まります。
  • 発音の問題: 特定の音を正確に発音するのが難しくなる場合があります。
  • 口呼吸の傾向: 出っ歯は唇が閉じにくくなることがあり、口呼吸につながる可能性があります。これがさらなる口腔トラブルを引き起こすこともあります。
受け口(下顎前突)

下の前歯が上の前歯よりも前に出ている状態で、「反対咬合」や「受け口」とも呼ばれます。見た目だけでなく、顎の成長にも深刻な影響を及ぼす可能性があります。

リスクと特徴

  • 噛み合わせの不具合: 正常に噛むことが難しくなり、食事に時間がかかる場合があります。
  • 顎の発達への影響: 受け口は、下顎が過剰に成長したり、上顎の発育が抑制されたりすることと関連しています。
  • 発音の問題: 受け口の子供は、サ行やタ行の発音に支障をきたすことがあります。
  • 顔立ちへの影響: 顎が強調されるため、将来的に顔全体のバランスが崩れる可能性があります。
叢生(そうせい)

歯がガタガタに重なり合っている状態を「叢生」と言います。顎の大きさと歯のサイズが不均衡な場合に発生することが多いです。

リスクと特徴

  • 清掃の難しさ: 歯と歯が重なっている部分は歯ブラシが届きにくく、虫歯や歯周病のリスクが高まります。
  • 口腔内の健康への影響: 十分な清掃ができないと、プラークがたまりやすくなり、口臭や歯茎の炎症が起こることがあります。
  • 食事の不便さ: 食べ物が歯の間に詰まりやすく、食事中のストレスが増す場合があります。
  • 発音の影響: 歯の位置が乱れていると、特定の音を正確に発音するのが難しい場合があります。

これらの不正咬合は、早期に対応することで改善が可能です。特に成長期のお子様では、矯正治療や生活習慣の見直しにより、噛み合わせや歯並びを自然な形に近づけることができます。放置すると、問題が悪化し、成人後の治療が複雑になることもあるため、早めに専門家に相談することをお勧めします。

4.不正咬合が子供に与える影響

お子様の歯並びや噛み合わせは、見た目だけでなく、日常生活や健康全般にも影響を及ぼします。不正咬合は、放置することでさらなる問題を引き起こす可能性があるため、早期にその影響を理解し、適切な対応をすることが重要です。ここでは、不正咬合が子供に与える具体的な影響についてお話しします。

噛み合わせや発音の問題

不正咬合は、食事や会話など日常的な行動に直接影響を与えることがあります。

  • 食事の不便さ: 噛み合わせが悪いと、食べ物を細かく噛むのが難しくなり、消化に負担をかけることがあります。また、偏った噛み方が癖になることで、顎や顔の発達に偏りが生じる可能性もあります。
  • 発音の不明瞭さ: 噛み合わせや歯の位置がずれることで、特定の音が正確に発音できなくなることがあります。これにより、スムーズなコミュニケーションが難しくなる場合もあります。
  • 口呼吸の増加: 不正咬合は、口を閉じにくくすることがあり、口呼吸の原因になることも。これがさらに口腔内の乾燥を招き、歯や歯茎に悪影響を与えることがあります。
自尊心や心理的な影響

歯並びは見た目にも影響を与えるため、不正咬合が心理面に与える影響も見過ごせません。

  • 笑顔に対する自信の低下: 歯並びが悪いことで笑顔に自信を持てなくなり、消極的になったり人前で話すのを避けるようになる場合があります。
  • いじめやからかいの原因に: 他の子供からのからかいやいじめの対象となり、ストレスや不安感が生じることもあります。これが学業や友人関係にも影響を与える可能性があります。
  • 自己肯定感の低下: 長期間不正咬合が放置されると、見た目へのコンプレックスが強まり、自己肯定感の低下につながることもあります。
虫歯や歯周病など健康へのリスク増加

不正咬合は、口腔内の健康にも多くの影響を与える可能性があります。

  • 清掃の難しさ: 歯が重なり合っている部分や奥歯が正しく噛み合わない部分は歯ブラシが届きにくく、虫歯や歯周病のリスクが高まります。
  • 歯や顎への負担増加: 噛み合わせが悪いことで一部の歯や顎に過度な負担がかかり、歯の摩耗や顎関節症の原因になることがあります。
  • 全身の健康への影響: 口腔内の健康が損なわれると、全身の健康にも悪影響を与える可能性があります。特に慢性的な炎症は、将来的に他の病気のリスクを高める要因となることがあります。

不正咬合が及ぼすこれらの影響は、早期に治療を始めることで防ぐことができます。特に成長期の子供は顎や歯の発達が進んでいるため、適切なタイミングでの治療が効果的です。

5.不正咬合を予防する生活習慣

お子様の不正咬合は、遺伝だけでなく日々の生活習慣からも影響を受けることがあります。正しい生活習慣を取り入れることで、歯並びや噛み合わせの問題を未然に防ぐことができる可能性があります。ここでは、不正咬合の予防につながる具体的なポイントをご紹介します。

姿勢と日常の行動の改善

姿勢や日常の行動は、顎の発達や歯並びに大きく影響します。

  • 正しい姿勢の重要性
    長時間のうつ伏せや片側に寄りかかる姿勢は、顎や顔の骨の発達に偏りを生じさせることがあります。特に学習時や遊びの際には、背筋を伸ばして正しい姿勢を心がけることが重要です。
  • 悪い癖の防止
    指しゃぶりや口呼吸、頬杖などの習慣は不正咬合を引き起こす可能性があります。これらの癖は早めに気付き、取り除くことが大切です。例えば、鼻呼吸を促すための環境作りや、指しゃぶり防止用のグッズを活用するのも有効です。
よく噛むことの重要性

食事の際によく噛むことは、顎の発達に直結します。

  • 硬いものを食べる習慣を取り入れる
    柔らかい食べ物ばかりを食べると、顎の筋肉や骨の発達が妨げられることがあります。適度に硬い食品を取り入れることで、噛む力を養い顎の発達を促すことができます。例えば、野菜スティックやせんべいなどが効果的です。
  • 噛む回数を増やす工夫
    一口をしっかりと噛む習慣をつけることで、噛み合わせや顎の形を整える助けとなります。「30回噛む」など目標を決めてみるのもお子様にとって楽しいチャレンジになるでしょう。
定期的な歯科検診で早期発見

定期的なチェックは、不正咬合を未然に防ぐための重要なステップです。

  • 発達段階に応じた診察
    成長期の子供は顎や歯が発達していくため、不正咬合の兆候が現れることがあります。定期検診を通じて早期に異常を発見することで、将来的な治療が簡単になる場合があります。
  • 専門的なアドバイスの提供
    歯科医師による定期的なチェックでは、噛み合わせの状態や顎の成長を確認し、必要に応じて予防的な治療を提案することが可能です。また、親御様がお子様の歯並びに気をつけるポイントについて具体的なアドバイスを受けることができます。

正しい生活習慣は、歯並びの問題を防ぐだけでなく、お子様の全身の健康にも良い影響を与えます。特に成長期の今、できることを始めることが将来の健康につながります。

6.子供の矯正治療の適切なタイミング

お子様の矯正治療を始める時期は、歯並びや成長に大きく影響を与えます。適切なタイミングで治療を開始することで、治療の効果を最大化し、将来の負担を軽減することができます。ここでは、子供の矯正治療を考える上での重要なポイントをご説明します。

治療を始める年齢の目安

矯正治療は、開始する年齢によって効果や方法が異なります。

  • 目安は6~10歳頃
    乳歯から永久歯への生え替わりが始まるこの時期は、顎の成長を活かして歯並びを整えるのに最適なタイミングです。特に前歯や奥歯が生え始める頃に、専門家による診察を受けることで早期発見が可能になります。
  • 歯並びだけでなく、顎の発達も重要
    顎が発達中の段階では、歯を並べるためのスペースを確保しやすく、不正咬合を未然に防ぐ治療が可能です。
一期治療と二期治療の違い

矯正治療には、成長段階に応じた「一期治療」と「二期治療」があります。

  • 一期治療(混合歯列期)
    乳歯と永久歯が混在している時期に行う治療です。この段階では、不正咬合の原因となる悪い癖(口呼吸、指しゃぶりなど)を改善したり、顎の成長をコントロールしたりすることを目的とします。スペース不足を解消して、将来の歯並びを整える準備を行います。
  • 二期治療(永久歯列期)
    永久歯が生え揃った後の治療で、歯そのものの位置を整えることを主な目的としています。この段階では、ブラケットやマウスピース型矯正装置を使用して、歯を理想的な位置に動かしていきます。
成長を活かした効果的な治療タイミング

お子様の成長期を最大限活かすことで、矯正治療の負担を軽減し、より良い結果を得ることができます。

  • 成長期に行う治療のメリット
    成長期には顎の骨が柔軟で、調整がしやすいという特徴があります。このため、矯正治療がスムーズに進むだけでなく、必要な治療期間を短縮することも可能です。
  • 早期発見と治療の重要性
    早い段階で不正咬合の兆候を見つけることで、簡単な治療で問題を解決できる場合があります。例えば、舌癖や口呼吸といった生活習慣が原因の不正咬合であれば、専門的な指導だけで改善するケースも少なくありません。

お子様の矯正治療は、年齢や成長段階によって方法やタイミングが異なります。最適な治療計画を立てるためには、専門家による診断が欠かせません。

7.不正咬合に対応する治療法の種類

お子様の不正咬合に対処するには、さまざまな治療法があり、それぞれに特徴やメリットがあります。どの方法が最適かは、不正咬合の種類やお子様の成長段階、ライフスタイルに合わせて選択することが大切です。以下では代表的な治療法について解説します。

ワイヤー矯正とその特長

ワイヤー矯正は、不正咬合の治療法として最も一般的で、多くの症例に対応可能です。

  • 特長
    ワイヤーとブラケットを使って歯に力を加え、正しい位置に動かします。歯の位置や噛み合わせの改善が可能で、幅広い不正咬合に対応できます。
  • メリット
    • 複雑な症例にも対応可能
    • 歯の微細な調整が得意
    • 長年の実績があり信頼性が高い
  • デメリット
    • 見た目が気になることがある
    • 毎日のケアに手間がかかる(特に食べ物の詰まり)
マウスピース矯正のメリットとデメリット

マウスピース矯正は、透明な取り外し可能な装置を使った治療法です。近年、人気が高まっています。

  • 特長
    マウスピースを装着することで歯を動かします。透明なので目立たず、取り外し可能なためお子様にも扱いやすいのが魅力です。
  • メリット
    • 目立たないデザイン:透明なので、矯正していることが気になりにくいです。
    • 取り外し可能:食事や歯磨きの際に簡単に外せるため、衛生的です。
    • 快適な装着感:ワイヤーがないため、口内の傷つきを防ぎます。
  • デメリット
    • 使用時間の管理が必要(1日20時間以上の装着が必要)
    • 重度の不正咬合には対応できない場合がある
    • 紛失のリスクがある
その他の治療法と各メリット

状況に応じて、以下の治療法が選ばれることもあります。

  • 部分矯正
    特定の歯だけを矯正したい場合に適しています。短期間で結果を得られることが多く、負担が少ない点が特徴です。
  • プレオルソ(床矯正)
    取り外し可能な装置を使って、主に顎の成長をコントロールします。小児期の矯正に適しており、歯を抜かずに矯正が可能な場合もあります。
  • 外科的矯正
    重度の不正咬合や顎の骨格の問題に対応するための治療法です。外科手術を伴う場合がありますが、抜本的な改善が可能です。
治療法選択のポイント

治療法を選ぶ際には、以下のポイントを考慮してください。

  • 症例に適した方法:不正咬合の種類や程度に合った治療法を選ぶことが重要です。
  • お子様の負担:装置の見た目や装着感など、お子様が快適に治療を続けられる方法を検討しましょう。
  • 費用と期間:治療法によって費用や治療期間が異なります。長期的な計画を立てることが大切です。

不正咬合の治療法は一人ひとり異なります。当院では、患者様と親御様が納得して治療に臨めるよう、詳しい診断を行い、最適な治療プランをご提案いたします。

8.家庭でできる不正咬合のケアと予防法

お子様の不正咬合を予防し、健康な歯並びを守るためには、家庭でのケアがとても大切です。日々の生活習慣や環境が、歯や顎の発達に大きな影響を与えます。ここでは、親子で取り組める具体的なケア方法をご紹介します。

口呼吸や指しゃぶりを改善する方法

口呼吸や指しゃぶりは、不正咬合を引き起こす要因のひとつです。これらの習慣を早期に改善することで、歯並びへの悪影響を防ぐことができます。

  • 口呼吸の改善

・鼻づまりが原因の場合は、小児科での診察を検討してください。

・日中の意識的な口閉じを習慣づけるために、親御様が声かけを行うのも効果的です。

・寝る前に口閉じテープを使うと、睡眠中の口呼吸を予防できます。

  • 指しゃぶりの対策

・お子様が安心できる代替手段を用意しましょう。(抱き枕やぬいぐるみなど)

・添い寝で手を繋いだり、声かけをしたりとスキンシップで安心感を与えるのも効果的です。

・指にお気に入りのキャラクターの絆創膏を貼ったり、指先に顔の絵を描いて、「指さんが痛がっちゃうから、口には入れないようにしようね」とお話しすると、遊び感覚で指しゃぶりを減らせます。

食事習慣と生活リズムの整え方

歯や顎の健全な発育には、食事や生活リズムも深く関わっています。

  • よく噛む習慣をつける
    • 繊維質の多い野菜や果物、硬めの食品(例えばスルメや煮干しなど)を積極的に取り入れましょう。
    • お子様が食事を楽しめるように、噛むことをゲーム感覚で促すのも一つの方法です。
  • 栄養バランスの見直し
    • 骨の成長に必要なカルシウムやビタミンDを含む食品を意識して摂取しましょう(例:牛乳、魚、豆腐など)。
    • 甘いお菓子やジュースの過剰摂取は虫歯だけでなく、歯並びにも影響を及ぼす可能性があるため注意が必要です。
  • 規則正しい生活リズム
    • 睡眠不足は成長ホルモンの分泌を妨げ、顎の発育にも悪影響を及ぼします。決まった時間に寝る習慣をつけましょう。
    • ストレスは歯ぎしりの原因になることもあるため、お子様がリラックスできる環境を整えてください。
親子でできる毎日の口腔ケア

歯並びを守るためには、日々の口腔ケアが基本となります。親御様のサポートが重要です。

  • 正しい歯磨きの指導
    • 歯磨きは、お子様が自分でできるようになるまで、親御様が仕上げ磨きを行いましょう。
    • 歯科医院で指導を受けると、より効果的な方法を学ぶことができます。
  • フロスや歯間ブラシの活用
    • 歯と歯の間に汚れがたまりやすい場合は、フロスや歯間ブラシを取り入れてください。特に矯正中のお子様にはおすすめです。
  • 定期的なチェック
    • 歯並びや噛み合わせに違和感がある場合、早めに歯科を受診して確認する習慣をつけましょう。

不正咬合の予防は、日々の生活の中でできることから始まります。お子様の成長段階に合わせて適切なケアを行うことで、歯並びや口腔内の健康を守ることができます。

9.矯正治療の流れと準備すべきこと

お子様の不正咬合を治療する際、どのようなステップで進めていくのかを事前に把握しておくことは、治療をスムーズに進めるために重要です。また、治療中の注意点や費用面についての準備も欠かせません。ここでは、矯正治療の流れや必要な準備について解説します。

初診から治療完了までの流れ

矯正治療は段階的に進行していきます。お子様の成長段階に合わせた治療計画を立てることで、より効果的な結果を得ることができます。

  • 初診相談と検査
    • まずは歯並びや噛み合わせの状態を確認します。必要に応じてレントゲン撮影や口腔内の写真撮影を行い、顎や歯の成長状態を詳しくチェックします。
    • この段階で、治療が必要かどうか、治療を開始する適切なタイミングについて説明します。
  • 治療計画の立案
    • 不正咬合のタイプやお子様の成長に応じて、個別の治療計画を立てます。治療期間や装置の種類、費用についても詳しくお伝えします。
  • 矯正装置の装着
    • 必要に応じて、ワイヤー矯正やマウスピース矯正など、お子様に適した装置を装着します。初めての装着時には少し違和感を覚えるかもしれませんが、時間が経つと慣れていきます。
  • 定期的な調整と経過観察
    • 装置の調整や治療の進行を確認するために、数週間から数ヶ月ごとの通院が必要です。この際、装置の不具合や歯の状態を確認しながら治療を進めます。
  • 治療完了と保定期間
    • 矯正治療が完了したら、綺麗な歯並びを維持するための保定装置(リテーナー)を装着します。この期間中も定期的なチェックが欠かせません。
矯正治療中の注意点

治療中にはいくつかの注意事項があります。これらを守ることで、治療の効果を最大限に引き出すことができます。

  • 食事に関する注意
    • 硬い食べ物(ナッツや飴など)は装置を破損させる可能性があるため避けましょう。粘着性のある食品(キャラメルやガムなど)も装置に絡まる可能性があるため注意が必要です。
  • 口腔ケアの徹底
    • 矯正装置を装着していると、食べ物のカスが溜まりやすくなります。専用の歯ブラシやフロスを使って、丁寧にお手入れしましょう。歯科医院でのクリーニングも定期的に行うと効果的です。
  • 装置の不具合に対応する
    • 装置が外れたり違和感を覚えた場合は、早めに歯科医院に相談してください。適切に対処することで治療の遅延を防ぐことができます。
費用や保険適用の確認方法

矯正治療の費用や保険適用については、治療を始める前にしっかり確認しておくことが大切です。

  • 費用の目安
    • 矯正治療は、治療の種類や期間によって費用が異なります。一般的には数十万円から百万円程度が目安ですが、詳細は治療計画の段階でご説明いたします。
  • 保険適用の可能性
    • 一部の不正咬合(顎変形症など)は健康保険の適用対象になる場合があります。該当するかどうかは診断時にご案内します。
  • 分割払いの活用
    • 費用の負担を軽減するため、分割払いを選択できるクリニックもあります。当院でも無理のない支払い方法をご提案いたします。

矯正治療はお子様の将来の健康や自信に直結する大切な治療です。治療の流れや注意点をしっかり理解し、費用面の準備を整えることで、安心して治療に臨むことができます。

10.よくある質問

お子様の不正咬合について、親御様からよく寄せられるご質問をまとめました。不正咬合の治療や予防についての疑問や心配事にお答えします。

矯正治療の最適な開始時期は?

矯正治療を始める時期は、お子様の成長や不正咬合の種類によって異なります。一般的には、乳歯から永久歯への生え変わりが始まる7~9歳頃が目安とされています。この時期に治療を開始することで、顎の成長をコントロールしながら、より効果的に歯並びを改善できます。

  • 一期治療(乳歯と永久歯が混在する時期):顎の成長を調整し、不正咬合の進行を防ぐ治療。
  • 二期治療(永久歯が生え揃った時期):歯の位置や噛み合わせを整える本格的な矯正。

ただし、お子様の成長スピードや不正咬合の程度によって適切な時期は異なりますので、早めの相談をお勧めします。

どの治療法が適しているか?

不正咬合の治療法は、お子様の年齢や不正咬合の種類、生活習慣によって変わります。

  • ワイヤー矯正
    伝統的な方法で、幅広い不正咬合に対応可能です。特に複雑なケースに適しています。
  • マウスピース矯正
    見た目が目立たず取り外し可能な装置です。軽度から中等度の不正咬合に向いていますが、装着時間を守ることが重要です。
  • 筋機能矯正装置
    小児期に使用されることが多く、口呼吸や舌癖などを改善しながら不正咬合を予防します。

どの治療法が最適かは、一人ひとりの状況を診断した上で決定します。親御様と相談しながら、最適な選択肢を見つけましょう。

家庭でできる予防法やケア方法は?

不正咬合の予防や軽減のために、家庭でも取り組めることがあります。以下のポイントを参考にしてみてください。

  • 正しい姿勢を意識する
    猫背やうつぶせ寝などは、顎の発達や歯並びに影響を及ぼす可能性があります。普段から正しい姿勢を心掛けるよう指導しましょう。
  • 口呼吸を改善する
    鼻呼吸を促し、口呼吸を避けることで、口腔内環境を整え、不正咬合のリスクを減らします。夜間に口が開いてしまう場合は、専門家に相談するのも一つの方法です。
  • よく噛んで食べる
    硬めの食材(にんじんやりんごなど)を取り入れることで、顎の発達を促します。噛むことが少ない食生活は、顎の発達不全につながる可能性があります。
  • 早期発見のための定期検診
    定期的に歯科検診を受けることで、不正咬合の早期発見が可能になります。早めの対応が、治療の負担を軽減する鍵となります。

不正咬合は、早期発見・早期治療がとても大切です。治療を始めるタイミングや方法、家庭での予防法などを正しく理解することで、お子様の健康な成長をサポートできます。何かご不安や疑問がございましたら、いつでもお気軽に当院までご相談ください。

監修:松本デンタルオフィスforキッズ
所在地:東京都東大和市向原4丁目1−2
電話:042-569-8127

 *監修者
医療法人社団桜風会 松本デンタルオフィスforキッズ
ドクター 松本圭史
*経歴
2005年 日本大学歯学部卒業。2005年 日本大学歯学部歯科補綴学第Ⅲ講座 入局。
2006年 日本大学歯学部大学院 入学。2010年 同上 卒業。
2010年 日本大学歯学部歯学部歯科補綴学第Ⅲ講座 助教
2013年 日本大学歯学部歯学部歯科補綴学第Ⅲ講座 専修医
2016年 医療法人社団桜風会 松本デンタルオフィス 新規開院
2025年 医療法人社団桜風会松本デンタルオフィスforキッズ 開院予定

*所属学会
日本補綴歯科学会
日本口腔インプラント学会
日本歯科審美学会
日本顎咬合学会
*スタディグループ
5-D Japan
Esthetic Explores

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