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コラム

Column

2025.12.18

永久歯がなかなか生えてこない!萌出遅延の原因と歯科医院でできること

1.「まだ生えないけど大丈夫?」永久歯が生えてこないときに感じる保護者の不安

・周りの子と比べて気づく“生え変わりの遅れ”

永久歯への生え変わりが始まる年齢になると、保護者の方が最初に感じやすいのが「周りの子と比べたときの違和感」です。
同じ学年の友だちや兄弟姉妹の歯が次々と生え変わっていく中で、「うちの子だけ、まだ前歯が生えていない」「乳歯が抜けたまま、何か月も変化がない」と気づくと、不安が一気に大きくなります。
特に前歯は見た目に分かりやすいため、実際の問題の有無に関係なく「遅れているのでは」「何か異常があるのでは」と感じやすい部分です。
しかし、永久歯の萌出時期には個人差があり、数か月から1年以上の差が生じることも珍しくありません。
比較する対象が身近にいるほど不安は強くなりがちですが、まずは「比べることで不安が大きくなっている可能性がある」という視点を持つことが大切です。

・永久歯の生え変わりは教科書どおりには進まない

永久歯が生えてくる時期については、おおよその目安が示されることはありますが、すべてのお子さまがその通りに進むわけではありません。
体の成長スピード、顎の発育、遺伝的な要素、生活習慣など、さまざまな条件が重なって萌出のタイミングは決まります。
そのため、「〇歳なのに生えていないから異常」と一概に判断することはできません。
一見すると遅れているように見えても、顎の中では永久歯が順調に成長し、適切なタイミングを待っているだけというケースも多くあります。
小児歯科の診療では、見た目だけで判断するのではなく、成長段階や全体のバランスを踏まえて評価することが重要とされています。
正しい情報を知ることで、過度な心配を抱えずに済むことも少なくありません。

・「様子見でいいのか」「確認が必要なのか」を見極める視点

一方で、すべての遅れが問題ないとは限らないのも事実です。
乳歯が抜けてから長期間経過しても永久歯がまったく見えてこない場合や、左右で生え変わりのタイミングに大きな差がある場合には、専門的な確認が安心につながります。
また、歯ぐきが不自然にふくらんでいる、噛み合わせに違和感が出てきているといったサインがある場合も、早めのチェックが勧められます。
これらは、保護者の方だけでは判断が難しいポイントです。
歯科医院で確認した結果、特に問題がなければ「経過を見ましょう」と安心できますし、対応が必要な場合でも、早期に把握することで将来の治療負担を軽減できる可能性があります。
不安を抱え込まず、正しく知ること。
それが、お子さまの成長を安心して見守るための第一歩になります。

2. 永久歯が生えてこない状態は「萌出遅延」と呼ばれます

・「歯がないのでは?」と不安になる前に知っておきたい基礎知識

永久歯がなかなか生えてこないと、「そもそも永久歯が存在しないのでは?」「どこかで成長が止まっているのでは?」と、強い不安を感じる保護者の方は少なくありません。
歯科では、このように永久歯の生え変わりが遅れている状態を「萌出遅延(ほうしゅつちえん)」と呼びます。
この言葉を聞くと、「治療が必要な状態なのでは」「大きな問題が隠れているのでは」と心配になるかもしれませんが、萌出遅延=すぐに治療が必要、というわけではありません。
多くの場合、顎の中には永久歯がきちんと存在しており、生えてくる準備をしながらタイミングを待っている状態です。
まずは、正しい意味を知ることが大切です。

・萌出遅延は「病気」ではなく「状態」を表す言葉

萌出遅延という言葉は、特定の病名を指すものではありません。
あくまで、「通常の時期よりも永久歯の萌出が遅れている状態」を表す歯科用語です。
その背景には、成長のペースがゆっくりであること、顎の発育と歯の大きさのバランス、歯が生えてくる方向や位置の問題、乳歯が長く残っていることなど、さまざまな要因が関係しています。
そのため、萌出遅延と診断されたからといって、必ず処置や治療が必要になるわけではありません。
小児歯科では、「このまま自然に生えてくる可能性が高いのか」「経過観察が適切なのか」「将来的に対応が必要になりそうか」といった点を総合的に判断していきます。

・経過観察でよいケースと、確認が勧められるケースの違い

成長の個人差による萌出遅延であれば、定期的に状態を確認しながら見守ることで、自然に永久歯が生えてくることも多くあります。
一方で、乳歯が抜けてから長い期間が経過している、左右で生え変わりの時期に大きな差がある、歯ぐきの下に硬いふくらみが触れる、噛み合わせに変化が出てきているといった場合には、一度詳しく確認しておくことで安心につながります。
レントゲン検査を行うことで、永久歯の有無や位置、向き、生えてくるためのスペースが確保されているかなどを客観的に把握することができます。
「何も問題がなかった」という結果であっても、それ自体が保護者の方にとって大きな安心材料になります。
萌出遅延は、早く知ることで不安を減らし、必要な場合には負担の少ない形で対応できる可能性が高まります。
気になるサインがあれば、早めに相談することが、お子さまの将来を守ることにつながります。

3. 萌出遅延の原因① 成長スピードと体の発育バランス

・体の成長と歯の成長は、必ずしも同じペースではありません

お子さまの成長を見ていると、「背が伸びるのが早い子」「体つきがしっかりしてくるのがゆっくりな子」など、成長スピードに個人差があることは多くの方が実感されていると思います。
実は、歯の生え変わりも同じで、体の成長と永久歯の萌出が必ずしも同じペースで進むとは限りません。
身長や体重の伸びが穏やかなお子さまの場合、顎の成長や歯の発育もゆっくり進むことがあり、結果として永久歯の萌出が遅れて見えることがあります。
このようなケースでは、「歯だけが遅れている」のではなく、「全体の成長リズムの一部として歯もゆっくり進んでいる」という見方が大切になります。

・兄弟姉妹や保護者との比較がヒントになることも

成長スピードを考えるうえで、兄弟姉妹や保護者の方の成長過程が参考になることがあります。
「自分も子どもの頃、歯が生えるのが遅かった」「兄弟も同じようにゆっくりだった」といった場合、体質や遺伝的な要素が関係している可能性も考えられます。
永久歯の萌出時期には、遺伝の影響がまったくないわけではありません。
顎の大きさや成長のタイミングは、家族間で似た傾向が見られることもあります。
小児歯科では、現在の状態だけを見るのではなく、保護者の方から成長の様子や過去の経過を伺いながら、「このお子さまにとって自然なペースなのかどうか」を判断していきます。

・「待つこと」が適切な治療選択になるケース

成長スピードの個人差による萌出遅延の場合、無理に処置を行わず、経過を見守ることが最も適切な対応となることも少なくありません。
歯が生えるための準備が顎の中で進んでいれば、時間の経過とともに自然に永久歯が萌出する可能性があります。
このようなケースで大切なのは、「何もしない」のではなく、「定期的に確認しながら待つ」という姿勢です。
成長に合わせて状態をチェックすることで、もし途中で別の要因が見つかった場合にも、早い段階で対応することができます。
小児歯科は、今すぐ治療を行う場所であると同時に、お子さまの成長を長期的な視点で見守る役割も担っています。
「今は待って大丈夫」という判断も、専門的な確認があってこそ安心して選べるものです。
成長スピードを正しく理解することが、不安を減らし、適切な対応につながります。

4. 萌出遅延の原因② 顎の大きさ・歯が並ぶスペース不足

・顎が小さいと、永久歯は「出たくても出られない」

永久歯が生えてくるためには、歯そのものが成長しているだけでなく、顎の骨に十分なスペースが確保されている必要があります。
近年は、食生活の変化や柔らかい食事の影響などから、顎の成長がゆっくりなお子さまも増えているといわれています。
顎が小さい、あるいは成長が追いついていない状態では、永久歯が正しい位置まで移動できず、歯ぐきの下で待機したままになってしまうことがあります。
この場合、永久歯が「生えようとしていない」のではなく、「生える場所が足りず、出てこられない」状態と考えられます。
見た目だけでは判断しにくいため、レントゲンなどの検査で初めて原因が分かるケースも少なくありません。

・乳歯がきれいに並んでいても起こる萌出遅延

保護者の方の中には、「乳歯の歯並びはきれいだから問題ないと思っていた」と感じる方も多いかもしれません。
しかし、乳歯がきれいに並んでいることと、永久歯が生えるためのスペースが十分にあることは、必ずしも同じではありません。
永久歯は乳歯よりも大きいため、乳歯の段階では問題がなく見えても、永久歯に生え変わるタイミングでスペース不足が表面化することがあります。
その結果、永久歯が歯ぐきの中で停滞したり、本来の位置とは異なる方向に生えようとしたりすることで、萌出遅延につながることがあります。
小児歯科では、現在の歯並びだけでなく、将来生えてくる永久歯の大きさや本数を踏まえて、顎の成長とのバランスを評価していきます。

・将来の歯並びや噛み合わせにも関係する重要なポイント

顎のスペース不足が原因の萌出遅延は、単に「歯が遅れて生える」という問題にとどまりません。
そのまま成長が進むと、歯並びがデコボコになる、噛み合わせがずれる、歯磨きがしにくくなるといった、将来的なトラブルにつながる可能性があります。
早い段階で顎の成長状態を把握しておくことで、成長を活かした対応が選択できる場合もあります。
必ずしもすぐに治療が必要になるわけではありませんが、「今どの程度スペースがあるのか」「今後どのように成長していきそうか」を知っておくことは、保護者の方にとって大きな安心材料になります。
顎の大きさと歯のバランスは、萌出遅延を考えるうえで非常に重要なポイントです。
早めに確認することで、将来の選択肢を広げることにつながります。

5. 萌出遅延の原因③ 歯の位置異常・埋伏歯という問題

・永久歯が「正しい方向」を向いていないことがあります

永久歯がなかなか生えてこない原因の一つに、歯そのものの「位置」や「向き」に問題があるケースがあります。
永久歯は、顎の骨の中で少しずつ移動しながら、適切な位置・角度で歯ぐきを突き破って萌出してきます。
しかし、何らかの理由で歯が傾いていたり、本来とは異なる方向を向いていたりすると、歯ぐきの表面まで到達できず、結果として萌出が遅れてしまうことがあります。
このような状態は、見た目だけでは判断することが難しく、歯科医院でレントゲン検査を行って初めて分かることも少なくありません。

・「埋伏歯(まいふくし)」とはどのような状態か

歯科では、永久歯が顎の骨や歯ぐきの中に埋まったまま、自然に生えてこない状態を「埋伏歯(まいふくし)」と呼びます。
親知らずの埋伏はよく知られていますが、実は前歯や犬歯などでも、埋伏歯が原因で萌出遅延が起こることがあります。
埋伏歯の場合、歯は存在しているものの、周囲の骨や隣の歯に邪魔されて動けない状態になっています。
この状態を放置すると、隣の歯の根に影響を与えたり、歯並び全体のバランスを崩したりする可能性があるため、早めの把握が重要になります。

・早期発見が将来の負担を減らす理由

歯の位置異常や埋伏歯は、成長とともに自然に改善することもありますが、すべてのケースがそうとは限りません。
成長期のうちに状態を把握しておくことで、歯が生えてくるためのスペースを確保する、生える方向をサポートする処置を検討する、将来の矯正治療につなげる判断を行うといった選択肢が広がります。
逆に、成長が落ち着いてから問題が見つかると、処置の選択肢が限られてしまうこともあります。
小児歯科では、「今すぐ治療が必要かどうか」だけでなく、「今後どのような経過をたどりそうか」を見据えた判断を行います。
歯の位置や向きは、目に見えない部分だからこそ、定期的なチェックが安心につながります。
早く知ることで、お子さまにとって無理のない対応を選べる可能性が高まります。

6. 実は多い「乳歯が抜けない」ことによる永久歯の遅れ

・乳歯は「自然に抜けるもの」と思われがちですが

永久歯への生え変わりは、「乳歯が抜けて、そこに永久歯が生えてくる」という流れを思い浮かべる方が多いと思います。
確かに、多くの場合はその通りに進みますが、すべての乳歯が自然なタイミングで抜けるとは限りません。
乳歯が長く残ったままになると、その下で待機している永久歯が行き場を失い、萌出が遅れてしまうことがあります。
保護者の方からは、「グラグラしていないから様子を見ていた」「痛みがないので問題ないと思っていた」という声もよく聞かれますが、見た目だけでは判断できないケースも少なくありません。

・永久歯の邪魔をしてしまう乳歯の存在

通常、永久歯が生えてくる力によって、乳歯の根は少しずつ吸収され、自然と抜け落ちる仕組みになっています。
しかし、永久歯の位置や向きにずれがある場合や、永久歯の力がうまく伝わらない場合には、乳歯の根が十分に吸収されず、乳歯が抜けないまま残ってしまうことがあります。
この状態が続くと、永久歯は本来の位置に出てこられず、横や斜めから生えようとしたり、歯ぐきの中で停滞したりすることがあります。
結果として、萌出遅延だけでなく、歯並びの乱れや噛み合わせのズレにつながる可能性もあります。

・適切なタイミングでの判断が大切です

乳歯が抜けないからといって、すぐに処置が必要になるわけではありません。
成長の経過を見ながら、自然に抜けるのを待つ方がよいケースもありますし、一方で、永久歯の萌出を妨げていると判断される場合には、適切なタイミングで対応を検討することもあります。
この判断は、見た目だけでは難しく、レントゲン検査によって永久歯の位置や状態を確認することで、初めて可能になります。
小児歯科では、「今抜いた方がよいのか」「もう少し待っても問題ないのか」を慎重に見極めながら、お子さまの負担が少ない選択を行います。
乳歯が抜けない状態は、決して珍しいことではありません。
だからこそ、気になった時点で一度確認しておくことが、将来のトラブルを防ぐことにつながります。

7. 歯科医院では何をチェックしているのか

・見た目だけでは分からないポイントを確認しています

永久歯がなかなか生えてこない場合、「見た目では特に問題がなさそうに見える」ということも少なくありません。
しかし、小児歯科では、歯ぐきの表面に見えている情報だけで判断することはありません。
歯が生えるための準備が、顎の中でどこまで進んでいるのか、永久歯が正しい位置・方向にあるのか、周囲の歯や骨との関係はどうかといった点を総合的に確認していきます。
こうした確認は、保護者の方やお子さま自身が気づきにくい部分だからこそ、専門的な視点が重要になります。

・レントゲン検査で分かること、分からないこと

歯科医院で行われるレントゲン検査は、永久歯の萌出状況を把握するうえで非常に重要な役割を果たします。
レントゲンでは、永久歯が存在しているかどうか、顎の中でどの位置にあるか、生えてくる方向に問題がないか、乳歯の根がどの程度吸収されているかといった情報を確認することができます。
一方で、レントゲンは「今の状態」を知るためのものであり、「いつ生えてくるか」を正確に予測できるものではありません。
そのため、小児歯科では、一度の検査結果だけで結論を出すのではなく、成長に合わせて経過を追いながら判断することが大切にされています。

・経過観察と治療判断の分かれ目

歯科医院でのチェックの目的は、必ずしも「治療を始めるかどうか」を決めることだけではありません。
多くの場合、「今は経過を見てよい状態か」「今後、注意して見ていく必要があるか」を整理することが重要になります。
経過観察で問題ないと判断されれば、定期的に状態を確認しながら、お子さまの成長を見守っていきます。
一方で、歯の位置や顎の成長に問題が見つかった場合には、将来を見据えた対応について説明が行われます。
小児歯科では、「今すぐ何かをする」よりも、「最適なタイミングを見極める」ことが重視されます。
丁寧なチェックと説明を通して、保護者の方が安心して判断できる環境を整えることも、歯科医院の大切な役割です。

8. 萌出遅延に対して歯科医院でできる対応

・「何もしない」のではなく「経過を管理する」という選択

永久歯の萌出遅延と聞くと、「すぐに何か治療をしなければならないのでは」と感じる保護者の方も多いかもしれません。
しかし、歯科医院で行われる対応は、必ずしも処置や治療を前提としたものばかりではありません。
成長の個人差や一時的な遅れが原因と考えられる場合には、定期的なチェックを行いながら、萌出の経過を丁寧に見守っていくことが最も適切な選択となることもあります。
この「経過観察」は、何もせずに放置することとは異なります。
生え変わりの進み具合や顎の成長を確認しながら、必要なタイミングを見逃さないための大切な対応です。

・永久歯の萌出をサポートするための処置

経過観察だけでは自然な萌出が難しいと判断された場合には、永久歯が生えやすい環境を整えるための対応が検討されます。
例えば、乳歯が永久歯の邪魔をしている場合には、適切なタイミングで乳歯についての判断が行われることがあります。
また、歯が生えてくるスペースが不足している場合には、成長を活かした対応や、将来的な治療を見据えた計画が立てられることもあります。
これらの対応は、お子さまの年齢や成長段階、永久歯の位置や向きなどを総合的に考慮したうえで、慎重に判断されます。

・将来の矯正治療につながる可能性も見据えて

萌出遅延への対応は、目の前の「歯が生えてこない」という問題だけでなく、将来の歯並びや噛み合わせを考えるうえでも重要です。
早い段階で状態を把握しておくことで、必要に応じて矯正治療につながる選択肢を検討できる場合もあります。
すぐに矯正治療を始めるわけではなくても、「将来どのような可能性があるのか」を知っておくことで、保護者の方は心構えを持つことができます。
小児歯科では、今後の成長を見据えた説明を行いながら、お子さま一人ひとりに合った対応を考えていきます。
萌出遅延に対する歯科医院での対応は、単なる治療ではなく、お子さまの成長を支えるためのサポートでもあります。
不安な点があれば、遠慮なく相談することが、安心への近道になります。

9. 早めに相談することで防げる将来のトラブル

・歯並びや噛み合わせへの影響を最小限に抑えるために

永久歯の萌出遅延をそのままにしてしまうと、歯並びや噛み合わせに影響が出る可能性があります。
永久歯は、生えるタイミングだけでなく、生えてくる「順番」や「位置」も重要です。
特定の歯が長く生えてこない状態が続くと、周囲の歯がそのスペースに倒れ込んだり、本来の位置からずれて生えてきたりすることがあります。
その結果、歯並びがデコボコになる、噛み合わせが不安定になる、将来的に矯正治療が複雑になるといった問題につながることもあります。
早めに状態を把握しておくことで、成長を利用した対応が選択できる場合もあり、将来の負担を軽減できる可能性が高まります。

・むし歯や歯肉トラブルのリスクを減らす

萌出遅延があると、歯並びのバランスが崩れやすくなり、歯磨きがしにくい部分が増えることがあります。
磨き残しが増えると、むし歯や歯肉の炎症が起こりやすくなり、結果として口腔内全体のトラブルにつながることもあります。
特に、生えかけの永久歯は、歯質が未成熟でむし歯になりやすいため、注意が必要な時期です。
歯科医院で定期的にチェックを受けることで、歯磨きのポイントを確認したり、必要に応じて予防的なケアを取り入れたりすることができます。
萌出遅延をきっかけに、口腔内全体の管理を見直すことが、将来の健康につながるケースも少なくありません。

・お子さまの心理的な負担を軽くするという視点

歯の生え変わりは、見た目の変化が大きいため、お子さま自身が気にすることもあります。
「自分だけ歯が生えていない」「見た目が気になる」と感じることで、人前で笑うことをためらったり、自信を失ってしまったりすることもあります。
早めに歯科医院で相談し、「問題ない状態なのか」「今後どのように進んでいくのか」を分かりやすく説明してもらうことで、保護者の方だけでなく、お子さま自身の不安も軽減しやすくなります。
萌出遅延への対応は、歯の問題だけでなく、心の安心にもつながる大切なステップです。
気になることがあれば、早めに相談することが、お子さまの将来を守ることにつながります。

10. 「様子見でいいのかな?」と迷ったら、まずは相談を

・「受診するほどではないかも」と感じている方へ

永久歯がなかなか生えてこないと感じていても、「もう少し様子を見た方がいいのかな」「歯医者さんに行くほどのことではないかもしれない」と迷われる保護者の方は少なくありません。
実際、萌出遅延の中には、成長とともに自然に解決するケースも多く存在します。
しかし、「問題がなかったらどうしよう」と受診をためらう必要はありません。
歯科医院での確認は、必ずしも治療を始めるためのものではなく、「今の状態を知るため」の大切な機会でもあります。
何も問題がなければ、「このまま見守って大丈夫」という安心を得ることができます。

・早めの相談が“選択肢を狭めない”理由

もし何らかの対応が必要な状態だったとしても、早い段階で把握できれば、選択肢は広がりやすくなります。
成長期のお子さまは、顎や骨が発育途中にあるため、成長を活かした対応が可能な時期でもあります。
一方で、気づかないまま時間が経過してしまうと、対応の方法が限られてしまうこともあります。
「何かあったらそのとき考えよう」ではなく、「今の状態を知っておこう」という姿勢が、将来の安心につながります。
小児歯科では、今すぐ治療が必要かどうかだけでなく、今後どのような経過が考えられるかを含めて、丁寧に説明を行います。

・お子さまの成長を一緒に見守る存在として

小児歯科は、むし歯を治す場所であると同時に、お子さまの成長を長期的に見守る場所でもあります。
永久歯の生え変わりは、数年単位で続く大切な成長のプロセスです。
その過程を、専門的な視点で定期的に確認することで、不安を減らし、必要なときに適切なサポートを受けることができます。
「今は大丈夫」「少し注意して見ていきましょう」「この時期にもう一度確認しましょう」といった一つひとつの判断が、お子さまの将来の口腔環境を支えていきます。
永久歯がなかなか生えてこない――。
そんな小さな気づきこそが、お子さまの成長を守る大切なサインです。
迷ったときは、一人で悩まず、まずは相談することから始めてみてください。
それが、安心への一歩になります。

監修:松本デンタルオフィスforキッズ
所在地:東京都東大和市向原4丁目1−2
電話:042-569-8127

*監修者
医療法人社団桜風会 松本デンタルオフィスforキッズ
ドクター 松本圭史
*経歴
2005年 日本大学歯学部卒業。2005年 日本大学歯学部歯科補綴学第Ⅲ講座 入局。
2006年 日本大学歯学部大学院 入学。2010年 同上 卒業。
2010年 日本大学歯学部歯学部歯科補綴学第Ⅲ講座 助教
2013年 日本大学歯学部歯学部歯科補綴学第Ⅲ講座 専修医
2016年 医療法人社団桜風会 松本デンタルオフィス 新規開院
2025年 医療法人社団桜風会松本デンタルオフィスforキッズ 開院予定

*所属学会
日本補綴歯科学会
日本口腔インプラント学会
日本歯科審美学会
日本顎咬合学会
*スタディグループ
5-D Japan
Esthetic Explores

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